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第12回 四大学合同マンドリン・ギター定期演奏会
ついに、客席から見ることになってしまった。
3か月(あるいは半年、1年、もっとかもしれない)間のドラマが1時間半に濃縮される、夢のステージ。
何も言えねえ。
でも敢えて書きましょうか。
第4代目変態指揮者、hm田の棒が振り下ろされ、第1部が始まった(1代目はn木さん)。マネ夫のピッコリエロイ。……重い! 大変に重い! ボクが直前(月曜)に見たときより、さらにテンポを落としていたように感じた。コレだ。マネ夫はこうでなくては! 時は第一次世界大戦、マネンテ軍楽隊長が身を呈して祖国を守る若人のために書いた曲でございます[1]。照明の演出も好きだ。中間部でのMa.の旋律がモゴモゴしていたのが惜しかったが、それ以外はallegro(moderato?)部も安定し、codaも決まっていて良かったと思う。
ゴンドラ漕ぎ手の唄はアゴーギクにこだわりが見られ、伴奏もおろそかにしてはいなかった。しかし旋律はもう少し歌ってほしかった(こんな抽象的な言い方はしたくないのだが)。特にMn.の表現力に課題が残る、というのが正直な感想だ。
そして1部メイン、OVERである。この曲はⅣM7の叙情的なギターアルペジオから 静かに始まる。昨年よりギターの音色・タイミング制御技術は向上しているように思えた。ディナーミクも適度に練られ、あくまでも作り過ぎない首脳陣のポリシーが垣間見える(独断と偏見、めちゃくちゃいじったつもりだったらゴメン)。そして中盤、1stとMc.が入ってくる前の、工大3人組のsoli…印象的だった。あの3人でひとつの音を作り上げていた瞬間、何だか特別な光景に見えた。もちろんそこだけでなく、みんな特別な時間を堪能できたなら幸いだ。
ただ全体として、邪教(*1)に毒されたボク個人としては、もう少しはじけてもいいんじゃない?と思いました。まぁ曲にもよるか。あと、テンションに任せてもう少しテンポを上げられたのでは、とも思う。ちょっとディフェンシヴな印象を受けた。
んで2部。しょっぱなは4人で奏でる吉水先生のflexible。選曲が良い。実際のところこれしか無かったんスよ!だったらしいが、だとしたら運が良い。適度に玄人受けし、適度にポップなチューンである。しかしこのメンバ、少なくとも1年前なら、少し意外な4人ではなかっただろうか? でも今はもう、そこに不思議さは感じられなかった。合奏と比べるとパワーダウンは否めないが、それでも4人の音はちゃんとひとつになって、確かに客席に届いてきた!
アニソン特集は照明の三日月がいいね。曲に関してはやはりタッチが好き。ただ、仮装のコンセプトがイマイチよく分からなかった。やるなら徹底的にやってくれ! 俺はやはりどうしてもみんなのセーラーふk(ry げほげほごほん!! おっとはっはっは少し熱くなり過ぎました。しかしもう企画ステージは曲を作りこむよりも演出に力を注入したほうがいいのではないか。ショートコントとかやればいい。岡大は参考になりますよ(*2)。そしてkなみちゃんの調弦が大変だった。予備楽器ー!!w
さていよいよ3部。これで全部終わりです。1曲目、プロ序。中低音のファンファーレ風主題からスタート。おお…1部のときと全然音が違う。「指揮者によって音が変わるのは良いオケ」と言われたりしますが、まさにそれ。首席陣がチェンジしたからというだけでない確かな違いを感じました。曲のシーケンスとしても良く作りこまれており、allegroの速さも好きだ。ただ、m上がずっと口をパクパクさせてリズムを取っているのが目に留まり、思わず噴きそうになった。
2曲目、末廣さんの桜色の幻影。これはもう泣いてまうやろランキング堂々1位ですね。F#という結構コクなキーにもかかわらず、実に余裕のある、それでいて緊張感あふれる神秘的な演奏だった。曲そのものが旋律から伴奏まで緻密に設計されているため、どこも手を抜けなかったに違いない。結果、ここで泣いてまいましたわww
そしてついに最後の最後。遠藤秀安、the seventh islands。7部構成で7/8拍子で7th音に固執するという、どこまでも変態的な曲である。しかもベースへの要求が鬼。空中分解への懸念に悩んだことでしょう。しかしほんま複合拍子が好きな指揮者じゃのう。7/8に乗るのはもはや何の苦もないことになっている。また全体として、調性感が薄い曲である。7th(短7度)を積極的に導入することで導音が消え、ドミナントモーションの進行力も弱まる。しかし主音の上下に長2度音程ができることで開放的な雰囲気、高揚感が生まれるのだ。「輝煌」(*3)を少し思い出した。また、中間部の6/8は何だか「ニューシネマ」(*4)を彷彿とさせた。最大の難関であるコントラバスのメロは、相当にピッチ精度の高い演奏だったと言えよう。少なくとも現存する初演[2]および改作版[3]の音源と比べてもレベルは上なのではないか。そしてクライマックス。最後の最後でギターが本性を現す…!! やはりこれが四大だ。大人過ぎる演奏に収めなかったのが好きだ。
すべてにおいてボクらより上手くいったのが、悔しいし嬉しい。心からそう思えた演奏会だった。そして猛烈に合奏したくなった。やはりマンドリンをボクのライフワークにしよう、と改めて思う。ちなみにアンコールはまったくワカンナかったよww いきものがかり?名前は聞いたことある!
終了後はいろいろ。偉大なる先輩方やかつての戦友と久々の再開をしました。以下、トピック( t 島さん& i 尾さん語録)。
t 島さん「カードに頼り切ってるよ、俺は未来のお金を使って生活してる」
t 島さん「俺3か月会わなかったら人見知りしちゃうからさぁ」
i 尾さん「こうしてみんな他人になっていくんやって」
t 島さんそれはヤバイヨヤバイヨ。しかし i 尾さんのお言葉は核心を突いている。再開って思ったより淡々としてるのね。
ほいでOBなのに胴上げしたり写真撮ったりして、解散。横川駅笑笑で飲み→麺房→蠅家。飲み屋で7人で飲んで1万強ってどうよ。もう年だ。
そんなこんなで、みんなホントにお疲れ!!!!
*1……聖教革命以前の旧 i 尾教。特にギターとチェロに常軌を逸した爆音を求める。
*2……岡大定演2部の遊びっぷりは中四国圏内首位。もはや客が着いていけてない!
*3……第9回定演2部で演奏。
*4……第10回定演2部で演奏。
[1] “イタリアマンドリン百選 第三集”,中野二郎,1970
[2] 京都教育大学マンドリンクラブ第43回定期演奏会,2002
[3] 名古屋大学ギターマンドリンクラブ第49回定期演奏会,2006
2009/11/21 (Sat.) Trackback() Comment(2) マンドリン
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ベーメロ弾いてるとき客席から身を乗り出して聴くあべさまが一瞬見えてしまってピッチずれそうになりました(笑)
ありがとうございました!!
燃えカスぱん 2009/11/26 (Thu.) 16:40 edit