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【論文紹介】 ステージ上の反射音構造がオーケストラ指揮者に対して与える影響 : 指揮者を対象としたステージ音響設計に関する基礎的研究
ついにフルペーパーを持ってきました。しかも建築系。まったくの門外漢です。
“ステージ上の反射音構造がオーケストラ指揮者に対して与える影響 : 指揮者を対象としたステージ音響設計に関する基礎的研究”(AN INFLUENCE OF ACOUSTIC STRUCTURE ON ORCHESTRA CONDUCTOR : A basic study on stage acoustic design for conductor),徳永 泰伸,寺島 貴根,日本建築学会環境系論文集(622) pp.1-8,2007年
面白そう。要旨としては、コンサートホールでは多くの場合フルオケの演奏が行われるが、これまでオケのための定量的な音響設計についてはほとんど研究されて来なかった。そこでオケの指揮者に着目した音響設計の初歩的な実験検討を行う。という感じ。指揮者に着目する理由は
個々のオーケストラ演奏者に対して最適な音響条件を提供することは不可能であるが、オーケストラの統括・制御をおこなう指揮者に対して最適な音響条件を提供することにより、オーケストラ演奏全体の質を確保することは可能であると考えている。
とのこと。なるほどたしかに!実に論理的だ。まぁボクみたいなカス指揮者には意味ナs(ry
んで内容としては、無響室内に指揮者と奏者を置いて実際に演奏してもらい、ディレイやリバーヴを用いた制御可能な仮想残響を指揮者に聴かせ、残響時間に対する「指揮のしやすさ・しにくさ」などの主観評価を得るというもの。被験者は「三重大学管弦楽団および吹奏楽団に所属する2~6年の経験を持つ指揮者6名」だそうです。おいぃー!マンドリン部も使うちゃれえやぁーー!!
そして得られた結果は、
・残響音の持続時間や後期反射音の遅れ時間によって指揮のしやすさ・しにくさが異なる
・指揮のしにくさは残響音より、主に後期反射音に強く影響される
・指揮者は主に後期反射音に影響を受けるが、奏者は残響音にも影響を受ける
という定性的なもの。正直、後期反射音(客席後部壁から返ってくる遅いエコー)がよく聞こえるほどのホールで振ったことがないので何とも言えませんなぁ……w でもたしかに、奏者としては残響が一切ない環境では極めて演奏しにくいが、指揮者的にはあんまり気にならんかも…という気もします。
しかしながら i 尾チルドレンとしては、残響特性よりも周波数特性―つまり音量バランスのほうが気になります(*1)。低音がどんだけ聞こえるかのほうが大事じゃない? にもかかわらず、ホール音響の評価は主として残響時間の長さで行われている。なぜだろう。これは、残響時間設計のほうが容易だからなんじゃないでしょうか。残響時間は距離(ホールの大きさ)やら反射板の配置など、幾何学的な要素に依るところが大きい。したがって建築家的にも設計しやすく、評価も残響特性がメインになる。ところが周波数特性は壁の材質とかに大きく左右されそう。なのでめんどくさい、理論化しにくい→敬遠。みたいな感じじゃないんですかねぇ!?(以上、無根拠推測)
というわけで、逆に演奏する側はホールの音響特性に応じた曲作りを心掛けたらいいですね。岡山市民会館で演奏するときはコントラバスを大量投入する、とかさ!(*2)
*1……周知のとおり、 i 尾さんは低音に異常な執着があった(今もあるはず)。が、そのわりにホールのスペックに関しては残響時間ばかり気にしていたように思う。
*2……岡山市民会館の低音の飛ばなさはすごい(当時の感想参照)。中ブロ小合同でコントラバス7人という異常な厚さだったが丁度良かった。
2010/01/02 (Sat.) Trackback() Comment(2) 論文紹介
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あべくん。
文字多い(´・ω・`)笑
よ 2010/01/03 (Sun.) 23:33 edit