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マンドリン回想録 弐拾四 ~第9回定演本番!② k川さんの涙~
前回からの続き。ようやく06年度定演が終わります。入学からの1年半を描くのに1年数カ月かかってしまった……
いよいよの3部。師匠 i 田さんの登場。第1曲目は「セビリアの理髪師」! パンッパーーーーン!!と景気よくオケが吠える…! ピックが折れまくった重音ストロークとか「やめてけれ」と聞こえるモチーフとか、懐かしいです。てかこの「やめてけれ」ってy廣がいきなり独自に言い出したのかと思ったら、昔から有名なネタなんですね。まぁそれはともかくガシガシ弾きまくった1曲。
i 田さんはメリハリの無い演奏をとにかく嫌い、かなり厳しいパフォーマンス品質を奏者に要求しました。そういう妥協の無い姿勢がボクは大好きで、どんな過酷な訓練にも耐えるドM体質になったのです。もっとボロクソ言ってほしい、と。
3部2曲目は「巡視隊のセレナータ」でした。この曲は楽譜が届くのが相当遅かったので、なかなか苦労しましたね。楽譜来たの10月半ばぐらいじゃなかった? 「図々しいぐらいに情熱的なイタリア男を表現してほしい」という指示が印象的でした。 i 田さんはこういう部分的なストーリー付けというか比喩が非常に上手かった。なぜボクはこれを受け継ぐことができなかったのか。悔やまれます。
そしてトリ、望郷。ボクが現代音楽に目覚めるきっかけともなった曲です。真冬の吹雪を思わせる厳しい第1主題、宇宙空間を漂っているような現代的な部分、複雑怪奇なかけあい、全体に執拗なまでに散りばめられ繰り返される第1主題のモチーフ。その何もかもが厳しい練習とともに心に焼き付いております。
しかし最も注目すべきはやはり、k川さんの涙でしょう。
ボクは見ました。激しいプレストを経て望郷が終わり、i 田先輩がお辞儀―花束を持って駆け寄るギャラリー。その喧噪の中、左手で1回だけ目の端の涙をぬぐうk川さんの姿を……!
k川さんはこの年の3部ギター首席。とても寡黙でクールな男として知られていました。YAMAHAの安いギターを頑なに愛し、首席というよりも独奏者としてのキャラクタを確立し追い求めた、孤高のギタリストであります。高校時代より作詞・作曲・歌なども手掛けるフォーク畑のギター人。今は仕事をしつつ趣味にどっぷり生きられ、My Spaceで自作曲の公開なんかもされてます。
というわけで終演。あ、アンコールは i 尾さん編曲・コブクロの「桜」でした。この編曲は非常に秀逸で、後にかなり再演されてます。Finaleも無しであれだけのものを書いたのはすごい!
で、みんなが大団円を迎えている中、やはり今年もボクは搬出係なのでした。搬出チーフのn木さんにジュースおごってもらったのが記憶に残ってますね。あと i 尾さんのお母様に会えたことも。その後はブルームーンにでも行ったんじゃなかったかな。
そのころからボクの中で、「勝ち組」「負け組」の概念が少しずつ形成されていった気がします。がんばっても報われないのが負け組。それが「MP」という形で表面化するには、もう1年待つこととなる……。
次回は新人撰の練習~本番あたりまで一気にイクんじゃないですかね。では。
2010/04/20 (Tue.) Trackback() Comment(7) マンドリン回想録
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ヤメテケ~レジコジコ…
SNR 2010/04/20 (Tue.) 23:53 edit