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映画「インセプション」の“夢の第3階層”が無重力でないのはおかしい
こないだ映画「インセプション」を見たんですが、そのとき感じた疑問を一つ。見た人意外にはまったく意味不明と思うが。
ロバートにインセプションを行うための作戦において、夢の第1階層の中でメンバ全員の乗った車が橋から落下しますよね。そのとき第2階層が無重力になるのは分かるんですが、第3階層は普通に重力があるんですよ。それはおかしいと思います。 この理由について、msnの『インセプション』 徹底攻略特集では、以下のように解説しています。 Q. なぜ第2階層の無重力の影響が、第3階層では起きていないのか?
この理屈は間違っています。そもそも重力とは、体に一定の重力加速度がかかっていて、尚且つ抗力によって、その加速度方向への運動が妨げられ静止している際に感じられるものです。このとき、三半規管内のリンパ液は重力方向に押し付けられ、全身の筋肉や内臓もその方向に引っ張られています。この感覚によって重力を知覚出来るわけです。
A. 体が安定しているため。
第2階層をみるとわかる通り、無重力状態の体は、空中で安定しているといえるだろう。客観的に見ると空中にフワフワと浮遊してるが、第3階層(雪山)にいる者にとっては、落下しているわけでも、揺さぶられているわけでもなく静止状態となっているだけなので、第3階層では無重力の影響を受けずに作戦を遂行していると推測できる。
無重力状態ではリンパ液も三半規管内を自由に浮遊し、筋肉や内臓も力を受けないので、当然無重力に感じられます。寝ても同じことのはずです。したがって、「無重力状態の体は、空中で安定しているといえる。落下しているわけでも、揺さぶられているわけでもなく静止状態となっているだけなので、無重力の影響を受けない」と主張するならば、「無重力状態でも静止していれば、寝ても覚めても無重力であることはわからない」と言うのと同じです。もちろんこれは間違いで、宇宙飛行士は無重力(正確には無重量)状態に慣れるために、過酷な訓練を行っています。
ちなみに、第2階層のホテルで無重力のまま眠るメンバをひっつかんでエレベータに移動させるシーンがありますが、あのときには一時的に重力が発生したように感じられるはずです(寝てる奴らにとって)。ひっぱられたり押されたりして加速度が生じると、慣性力によってその加速度と逆の方向にリンパ液が押しつけられるわけですから、加速している最中だけ重力を感じるのです。エレベータ床下にセットした爆弾を爆発させたときも同様。その変化は第3階層の夢に影響を及ぼすはずです。
そんだけです。おしまい。
2010/08/13 (Fri.) Trackback() Comment(0) 雑文
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