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前奏曲「黄昏」をアナリってみる (1)
ちょっとベルッティの黄昏を振らせてもらうことになってるので、勉強してみます。
【背景】
邦題:前奏曲「黄昏」
原題:Crepuscolo preludio
作曲者:Dino Berruti (1893~1947)
出版年:1930年
出版元:Il Mandolino
ベルッティと言えば手術が嫌で自殺したということで有名ですが、どんだけコワガリな人だったんでしょうかねぇ。元々ギタリストなので、ギター曲をたくさん書いているようです。
この曲は実はあんまり詳細が分かりません。web上にほとんど情報が無いんですよ。まぁwebに頼るなと言われるかもしれませんが、そこまで歴史的背景の調査が求められるほどの大曲ではないと思うんで勘弁してくだしあ。
ちなみに第9回(2006年度)五大定演でも演奏したんですよ。おそらく i 尾さんが書いたと思われるパンフの解説には、「比較的初期の作品である」と書いてありました。たしかに中野二郎先生の「イタリアマンドリン百選第13集」にも、1930年のイル・プレットロ作曲コンクールで入賞するまではギター独奏の小品ばかり書いていた、とあります。この年を契機にマンオケ作品を書きだしたそうです。
同書には以下のように書かれています。
当時イタリアのマンドリン界はアマデイ、マネンテ、ファルボ、ボッタキアーリ、ミラネージ等輝かしい作品を生んだ後、沈滞期を迎えていったが、ベルティの出現はイタリアのマンドリン界に一種清新な気息を与えたが、それはマンドリン音楽の根強いカンタービレの性質とリズムや旋律の扱い方に対して新しい精彩を加えたもので、ロマンティックとファンタジーの構成に一段と新しい境地を求めている。
浅学なためよく分かりませんが、何かしら新しいことをしたようです。詳しくは曲を見ながら考えていきましょう。
【音源】
MIDIですが、こちらのページで聞けます。
【楽式】
曲種:前奏曲
調性:ト長調
拍子:3/4拍子
テンポ:Andante
構成:序奏 - α - カデンツァ(?) - α' - β - γ - γ' - β' - 序奏の再現
と、一応書き下してみたんですが (ちなみに練習番号のアルファベットと被るといけないのでギリシャ文字にしてます) 、構成の部分はこのような捉え方で良いのか自信はありません。この曲はとにかく自由なんです。自由に書かれてます。そもそも前奏曲とは何か。Wikipedia の前奏曲の頁によると
・重厚な作品の前に演奏される、比較的気楽な楽曲。しばしば演奏技巧を発揮するような曲として、また、即興的な自由な作風の作品として、作曲された。
だってさ。じゃあベルッティさんの意図としては、独立した小品・自由な構成・おっとりした曲調……みたいなカンジなんですかね。まぁそういうことにしときましょう。
・転じて、独立した楽曲として、演奏技巧を発揮するような、また、即興的な自由な作風の作品、特にピアノ曲に、この名が付けられるようになった。性格的小品の一種である。
というわけで次回から和声やオーケストレーションを詳細に見ていく予定。が、知識も能力も無いので大した内容にはなりません。悪しからず。
2010/12/23 (Thu.) Trackback() Comment(0) マンドリン
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