忍者ブログ

2024
04
29

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2024/04/29 (Mon.)

2020
06
12

奨学金を完済した話

苦節10年弱......ついにやったぜ!! 奨学金完済だーーーーーッッッッ!!!!!

奨学金と言えば弊ブログ、奨学金が全免になった話で有名(マジでこれが結構なPVを稼いでいた時期がある)ですが、実は学部時代の分など免除になってないのが400万ぐらいあったんです。
これを就職した年度からコツコツコツコツコツコツコツコツと返してきたわけですが、転職を経てようやく経済的に余裕が出てきたのと、残債が一括返済できるくらいの額まできたので、残りを一括返済に踏み切ったというわけですよ!!

というわけで今回はこれまでの苦労を、具体的な額も含めて赤裸々に語っていきたいと思います。非常に長い自分語りになります。


時はさかのぼること2005年。私は困ったことに、大学に入学してしまいます。
両親はまず入学前に、入学金と当面の学費を工面するため国民生活金融公庫(以下公庫)の融資を受け、200万円を借り入れました。借り入れ翌月あたりから2万弱/月の返済が始まり、在学中は両親が返済してくれていました。と言ってもまぁ後述の奨学金の月額給付をそのまま返済に回していただけのことです。またこの金の使途は不明瞭で、おそらく当時の我が家の生活費や住宅ローン返済、趣味の買い物等にも回っていたと思われます。そもそも入学金25万円程度の出費も事前に準備できず、借金(後に本人が返済する)で賄うほかなかったわけですね。中流家庭と自覚していましたが、わりと恵まれてない方だったのかもしれません。

そして入学してすぐさま、私は親の指示どおり奨学金借り入れの手続きをしました。基本的に学部の奨学金は生活困窮等の特殊条件がない限り、有利子・原則返済免除無しの第二種奨学金というものになります。4年間の学費が賄える月5万円 x 47ヶ月=235万円という標準的なコースを選択しました。

こちらの統計を見てみると、2004年当時の奨学金受給率は41.1%となっています。つまりこの時点で私はすでに、全大学生のうち恵まれてない方の4割に入ってしまっていたというわけです。私の両親は基本的に計画性が皆無だったため、子どもの進学費用を積み立てるだとかそういう概念を一切持たなかったのです。兄もそうでしたし、私も奨学金や入学金工面のための借入が当然のことだと思っていました。



そして時は過ぎ2009年。私は困ったことに、大学院に入学してしまいます。
院の入学には入学金25万円強が必要になります。それを賄うため私は50万円の一括給付奨学金を借り入れます。これは第二種ですので有利子・返済免除無しです。
また、院の学費を賄うため学部4年の頃に第一種奨学金予約申請というのをしたのですが、成績が良くなかったため落選します。やむなく第二種に手を出したのですが、入学後に僥倖が差し込みました。貸与開始後だったか直前だったかに、第一種に切り替えできるという制度があったのです。これになぜか当選し、どうにか第一種に切り替えることができました。これにより月額8万8千円 x 24ヶ月=総額211万2千円(無利子・返済免除可能性あり)という借金をこさえます。

これはもちろん未来の自分からの借金なのですが、当時の私としては(一括給付の入学金支払い後残額25万+2年間の学費約100万を除いた残り約110万円)÷ 24=約5万円が毎月自由に使えるお金として手に入るわけです。さらに非常勤講師など割りのいいバイトもしていたので、当時は相当に裕福な生活を謳歌していました。いや、それ返済用に残しとけよ!! まぁ主に本買ったりとか就活とかに充ててたんですけどね。あ、卒業旅行もだな......



そして時は流れ2011年。なんとさらなる幸運が舞い込みます。それがあの有名な奨学金全免事件です。これにより私は211万円の借金がチャラになります。

ちなみに話が脱線しますが私は機関保証制度というのに加入していました。これは2005年ごろから始まった制度なのですが、要は「保証人つけれねー奴は毎月貸与額から少しずつ焦げ付き保険料ピンハネしながら貸してやんよ」というシステムです。奨学金借りるには連帯保証人以外にもう1人保証人が要るのですが、私の親は父母ともに親戚筋との関係が絶望的に悪かったので、親戚に保証人を頼むなんてことは間違っても不可能だったわけです。それで兄の大学時代は苦労し、最終的に当時高校生だった私が保証人になりました。え...うちの家やばい......? 普通だよね!? まぁそういうケースが多かったのでしょう、機関保証制度ができたわけですね。
んでピンハネ分は普通返ってこないんですが、繰上げ返済をすると返ってくる場合があります。で、全免になると一括繰上げ返済したのと同義になり、かなりの額(全額?)が返ってくるんです! あの記事に書いた通り7万5千円ぐらい返ってきました。やったぜ!!(いや、本来ならピンハネされなくて済むお金なんだけど......)

とはいえ、免除になってない学部時代の235万円+院入学時の50万=285万(元金)の借金が、何も持たない無知で無垢な青年にのしかかるわけですね。これを最長の返済プランで235万→168回払い、50万→120回払いにしたのでもちろんその分の利息が加わり、235万→約255万、50万→約55万、合計で約310万円の負債になります! 返済期間は14年!
しかしここで思い出してください。冒頭で「入学金と当面の学費を工面するため国民生活金融公庫の融資を受け200万円借り入れ」というのがあったはずです。この返済も就職してからは私がすることになっており、この時点での残債は約80万強でした。つまり負債総額は利息込みで310万+80万=約390万。およそ400万円です!! 400万円弱の負債を抱えた状態で社会人としてのスタートを切ったわけです。いやーこれ実際、一生尾を引くハンデですよね......これで院の全免が無かったらトータル600万だったわけですからぞっとします。奨学金破産が多いのも頷けます。

こちらのデータ(PDF)によると、2015年時点での34歳以下の奨学金平均返済総額は313万円とのこと。中央値は275万です。2011年のデータは分かりませんが同程度と仮定すると、全大学生の4割の奨学金利用者の中でも私はさらに恵まれてない側だったと言えるでしょう。先ほどのソースから引用したグラフ(図1)から計算すると、34歳以下で借入総額600万以上の人の割合合計は6%です。私が本来背負うはずだった債務は600万ですから、4割の中でもさらに上位6%、選りすぐりの恵まれてない集団に属するところだったわけです。(※400万でも上位25%ぐらい)


図1. 「奨学金や教育負担に関するアンケート調査」P.22 (2019年3月, 労働者福祉中央協議会)



そして2011年度、就職。まず4月から公庫の返済2万/月が始まりました。その年の9月からは奨学金の返済が開始し、これが255/168+55/120≒月2万。合計で月額4万円を返済していくこととなります。
転職記事で書いたように、新卒入社した前職は給料が泣くほど安かったため、最初はだいぶ苦労しました。前述の通り大学院時代は未来のお金を使って相当に裕福な生活を送っていましたが、社会人になってからは家賃などすべての支払いに加え4万円の返済があるわけなので、むしろ自由に使えるお金は少なくなっていたのです。(ちなみに大学院時代の奨学金は2年間で計画的にほぼ使い切っていましたw) クレカや奨学金が残高不足で落ちなかったことも1, 2度ありました。まぁこれは計画性と注意力の無さのせいですけど......

特に3年目は相当に苦労しました。1年目は9月までは奨学金返済開始猶予があり、また前年度の収入がないので所得税や住民税も削られません。2年目は税金が削られるので厳しくなりますが、残業や出張が増えて収入もかなり伸び、結局5年弱の在籍期間のうち2年目が最も年収の多い年になりました。問題は3年目です。2年目の所得に応じてさらに税金や保険料が引かれ、その上転職記事にも書いた通り残業が原則ゼロになり、1年目より手取り額が下がります。これは厳しい! 色々切り詰めました。そんな中でもとにかく固定費の削減をしようと頑張り、公庫の債務は残り2年分くらいを夏ボーナスで繰り上げ完済しました。これにより月の返済が4万から2万に半減したのでだいぶ楽になりました。

この頃が人生で金について、いや人生すべてについて最も真面目に考えていた時期かもしれません。金は無い。でも遊びたい。というかそれなりに遊んでいました。海外旅行いきまくってたな......そんで貯金ほぼゼロという時期も結構ありましたが、公庫残債完済後は少しずつですが貯金もしていきました。
株などにも手を出そうとしたり(結局やってないけど...)、収入アップのため自己投資とか、とにかく金がモチベーションとなって生きていた気がします。なんか資格取りまくってたね。応用情報、技術士補、TOEICそこそこの点、とかみんなこの頃に取りました。もちろんこの金に対する飢餓と渇望が、転職への強い動機をも産むわけです。



そして時は過ぎ2016年。私は現職への転職に成功し、年収が爆上がりします。もう月2万の返済なんて痛くも痒くもなくなり、そのまま引き落とされることすら忘れたように放置して返済を続けていました。

んで最近、2020年4月末。ふと残高が気になってチェックしてみたところ、残り返済予定期間が5年半ぶんくらいで、ちょっと頑張れば一括返済できる額までに達していました。これはもうこのビッグウェーブに乗るしかない!コロナだし!(関係ない) ということで一括繰上げ返済に踏み切りました。
そして翌月締め日の記念すべき5月27日。ついに残債全額が口座から引き落とされ、入学から15年、卒業から9年の歳月を経てようやく綺麗な体になりました。もういつ死んでも大丈夫......

図2. スカラネット・パーソナル:学部時代235万円分の返済完了を示すステータスページ


しかし考えてみると、「院の奨学金が全免にならず負債600万、さらに転職もできない(or しても大して給料上がらない)」というシナリオが十分あり得たのが恐ろしいですね。まさに院卒ワーキングプアになってるところでした。むしろ私大で特待生になって学費免除の方がよかったのかもしれません。みんなも奨学金で大学に行くのは絶対にやめようぜ! 自分に子どもが生まれても、絶対に奨学金は借りさせません!!

とにかくまぁ、9年間の地獄脱出、お疲れ!!俺!!!
PR

2020/06/12 (Fri.) Comment(0) 大学院・研究生活

Comments

名前
メールアドレス
URL
コメント
PASS  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

プロフィール

自己紹介:
広島で活動していたバンド、LDF。 リーダー、abe、サイバ、AtoCの4人。今は実質、abe。
※写真はリーダーのものです
本ブログの注意事項
↑はじめにお読みください

リンク

イガさんHP
 理系ギタリスト・イガさんのHP。音楽レビューブログ「まっはの音楽室」はじめました  
---------------------------------
ひとりごとをはじめましょう
 元チェロ弾きn安さんがひとりごとをつぶやく(頻度は低い)。 HPもあるよ!  
---------------------------------
つづらな陽気
 ユーチャン@コボラーが無限の日常とボヤきをつづる。更新は稀  
---------------------------------
一音成仏~ブロリの部屋~
 自称作曲家(笑)の元LDFリーダーの自己満日記。いろいろやってます。今は移転済み  
---------------------------------
地を這う円盤 -Whistler-
 自称寒がりな思考人(笑)のs原さんが何やかんや。最近は「旋律の作法」など  
---------------------------------
たま~に戯言
 寡黙なマンドリン弾き・s山の戯言。密かに培ったMIDI技術で駄音も製作中  
---------------------------------
monolith
 石オタクm田がかなりの頻度で石情報を量産する濃厚ブログ。最近は料理ネタがメイン
---------------------------------
ちぇりーず!HP
 アングラ系マンドリン合奏団「ちぇりーず!」のHP。私が製作。みんな来てね!
---------------------------------
solo-guitar.info
 リスナーとプレイヤーをつなげるソロギター情報発信サイトです!

Latest Tweets

最新コメント

[11/22 abe]
[11/22 ゆじ]
[10/07 abe]

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

バーコード

カウンター

アクセス解析

RSS